中東での事件を考える上でも・・・蓮池透さんの話を聞いた。

中東での人質事件のさ中、蓮池透さんの話を面と向かって聞いた。

冒頭から「問題が長引いたのは国が本気で捜そうとしなかったから」「小泉政権まで外務省は一切動かず、警察も何一つ私たちに情報開示しなかった。」と政府批判。小泉訪朝を経て5人が帰国、「5人生存8人死亡」として北朝鮮も拉致は認めたが、「日本側も「国交正常化」のために拉致問題が邪魔となり「平壌宣言」を両国で拙速にサイン。そこには「拉致」という言葉は無かった。」「これに則って「正常化」となったが、「8人の死亡」を認め、それ以外についても決着済みとなってしまった。」「北朝鮮は勿論だが、日本政府も人権軽視」と総括されていた。
弟の薫さんが「失踪」した当時の話は詳細に語られ、当時の様子を改めて薫さんに聞くと、妻となったゆきこさんの財布やサンダルが現場に置き去りになったことや、海岸で袋詰めにされたときに「あっちに行け」と誰かに怒鳴っている声などを聞いており、目撃者がいたはずなのに全く捜査にならなかったのかと今さらながら疑問を感じたとのこと。また、当時の様子や結果からして、薫さんたちが特定して狙われた訳ではないということ。誰が連れ去られてもおかしくなかったのだという説明もよく理解できた。
質疑の場では、「北朝鮮への経済制裁」について、透さんがあくまで対話と交渉を主張して「再訪朝より制裁を」との方針に反対すると「家族会」から離れざるを得なくなった当時の様子について、私から伺うと、会が右翼に利用されて「北を倒すしかない」と煽られてしまい、ノンポリの私も信奉者の一人となっていたと告白され、ほとんどのマスコミが家族会を聖域化して問題点を明らかにしない点も指摘。
会終了後に挨拶をさせて頂き、当時私が市議で「北朝鮮への経済制裁を求める国への意見書提出を求める」陳情について市議会でただ一人反対した事を話し謝意を伝えた。拉致被害者の家族として行動してきた故に見えてきた重い真実を語り続ける姿勢に感謝したい。

中東での人質事件に対する日本政府の対応、マスコミの報道のあり方を考える上でも、貴重な話を聞くことができた。この会は、計三回のシリーズで企画された蓮池透さんの講演会で、次回は2月6日、最後が13日ともに13時半〜15時半藤沢カトリック教会です。