はじめてのオノ・ヨーコ作品

子どもが壁にぶつかるごとに笑い。

横浜トリエンナーレに行ってきた。自分自身が、かねてから一度見に行きたいと思っていたのを、小僧には往復で電車に乗れると勧誘。風邪をひいて連休中どこにも出かけられなかった小僧も、とにかく電車に乗りたい一心で了解。作品にどれだけ関心を示すかは未知数ながら、取りあえず二人で芸術鑑賞へ。
穏やかな日和に、東海道線のグリーン席。かねてからグリーン席の「ダブルデッカー(2階建)」に乗りたいと主張する小僧に「今日で最初で最後」と念押しして、途中で帰りたいとゴネられないように、この日だけは大サービス。
横浜美術館に着いてみると、入り口に並ぶヘンな顔の造形物に面白がって、つかみはオッケー。中に入ると作品によって小僧も足を止める。立ち止まって凝視していたのが石田徹也の作品。特に、人の腕がトンネルになっていて電車がそこを走っている絵には感心しきり。大人から見ると、気味が悪く見えるようで、見知らぬおばさんから「夢でうなされちゃうわよね〜」と声を掛けられたのだが、それを無視して見入っていた。5歳児にどう映っているのか興味深い作風。自分が目当てにしていたオノ・ヨーコの作品は、透明のアクリル板(?)で作られた迷路の中に電話が置いてあり、オノ・ヨーコ自身から時おり電話が掛かってくるという仕組み。中に入った小僧は透明の壁に何度も勢い良くぶつかっていた。小僧が走り回るのを追いかけていて終わってしまったが、「混沌の先にあるコミュニケーション」といったテーマらしく、迷路に入るのに並んでいる人達とも合わせて彼女の世界観に引き込まれた時間だった。かねてから前衛的と聞いていたのだが、初めて作品に接した印象では、ずっと近くにまで彼女が寄り添ってきている感じがした。
結局、小僧のペースで急ぎ足になってしまったが、久し振りにゆっくりとした時間を楽しんだ。