わくわくピクニックのこれからを思う。

福島周辺の子どもたちを藤沢に招く保養キャンプの企画「わくわくピクニック2015」を10日から12日の二泊三日で行った。宿泊施設「少年の森」の定員40名を超える応募からの絞り込みが毎年の最大の悩みであったが、3回目となる今年は去年から始めたホームステイでの受け入れに応じてくれた家庭が増えたこと、少年の森近くの自治会館が借りられたことによって応募者全員を招く決断となった。
先方に多少のキャンセルは出たものの、天候には再び右往左往させられはしたが、今年も子どもたちの笑顔をたくさん見ることが出来た〜♪ 
これまで、ボランティアと寄付だけによる運営を続けてきた当企画だが、政府の態度や世論の動向などに呼びかけへの反応は当然に変化してくる。果たして、この先も続けられるという保証はどこにもないのだが、やはり招いた子どもたちの笑顔に触れると、また、親御さんたちの話を聞くと、その重い課題とどうやって向き合っていくのか、これまで関わってきたみんなと真剣に考えなければならない。

福島第一原発事故から、県が実施している当時18歳未満だった子どもたち対象の甲状腺検査において対象となった38万人のうち6月末現在で137人が疑いを含む甲状腺がんと診断されており、チェルノブイリなどでの潜伏期間を考えても今後さらに増えることが危惧される。
一方、私たちがピクニックを行う背景にあった「原発事故子ども被災者支援法」の改定には「新たに避難する状況にはない」と明記され、自主避難者支援の縮小、「帰還定住化」政策が反映されている。自主避難者に無償提供されている「みなし仮設住宅」(昨年末の一部地域を除く戸数で9261戸うち県外4845戸)についても福島県の来年度末での打ち切りが決定される状況なのである。

鎌仲ひとみ監督が「小さき声のカノン」上映会場で「保養を文化に」と言われたが、誰でも、必要とされる子どもも大人も受け入れられる湘南地域のホスト文化、おもてなし文化のポテンシャルは存在している。これを発揮できる地域づくりを進めていくことが鍵となるかも知れない。