山本太郎議員の質問主意書(TPP部分)への政府答弁から

週刊誌から色々と書かれる山本太郎氏であるが、参議院議員としての彼の活動をフォローしていくとともに、我々が、各地で各々の活動と太郎氏の活動をどのようにリンクさせていくか、試行が求められていると考える。そのためにも、改めて、8月6日提出の太郎氏質問主意書と、それに対する13日政府答弁を見ていきたい。

太郎氏の初めての質問主意書は何点かにわたっているが、とりわけ、TPPに関する日米並行協議についての質問への答弁は、「国益のため」と繰り返しながら協議内容を明らかにするつもりが全くない政府の姿勢を浮き彫りにしている。

太郎氏の質問は、米政府による協議内容確認の書簡を指して『TPP交渉と並行して、保険、透明性/貿易円滑化、投資、知的財産権、規格・基準、政府調達、競争政策、急送便及び衛生植物検疫措置の分野における複数の鍵となる非関税措置に取り組むことを決定』とあるが、具体的には、どのような非関税措置について議論をしたのか。どのような非関税障壁があると米国は主張しているのか。
これに対する答弁書は、『明記されている九つの分野に係るものであるが、米国の主張等の詳細については、相手国との関係もあり、お答えを差し控えたい。』との回答。
また、米国議会への協議内容を報告した書簡について、『・・・日本はまた、全ての物品(農産品と工業製品の双方)を交渉の対象とすること、及び他の交渉参加国とともに高い水準で包括的な協定を本年達成していくことを確認した。』とあることを指し、農林水産分野の重要五品目などの「聖域」もこの時点で交渉の対象にすると同意していたのか。との質問に対しては、『米国政府の書簡の内容について、我が国としてお答えする立場にない。』と明言せず。
特に、遺伝子組み換え食品については、本年6月16日付の産経新聞が『米国が難色を示していた遺伝子組み換え食品の表示義務を受け入れる方針であることが分かった。』と報じているが、これは事実か。事実とすれば、これは日米二国間だけの合意なのか。あるいは、TPP交渉参加国全てに対して米国が受け入れた合意なのか、との質問には、『お尋ねの報道については承知しているが、交渉に係る個別具体的な内容については、お答えを差し控えたい。』との回答。
太郎氏が選挙中の演説で「遺伝子組み換え食品かどうか、その表示義務さえ障壁とされる危険性がある」と指摘してきた事が改めて裏付けられた。
加えて、政府調達だけでなく、自治体における入札などにも参入が認められるようになることで、地方行政にも甚大な影響を与えることが言われながら、その実態は明らかにされていない。太郎氏の質問主意書でもこの点について、TPPでは政府調達の分野も含まれており、外国企業の参入を拒めなくなるはずである。水道のようなライフラインを外国企業に買収されてしまえば国家安全保障に関わる問題となる。この点について、政府の見解を明らかにされたい。と問うているにもかかわらず、『お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、交渉に係る個別具体的な内容については、お答えを差し控えたい。いずれにしても、我が国として国益を最大限実現するために全力を尽くす考えである。』との回答。

TPP問題は協議内容を隠ぺいする事でしか推し進められないと白状しているようなこれらの回答。太郎氏の国会議員として得られた情報を活かすべく宣伝に努めていきたい。