胃瘻(いろう)って?…目から鱗、口から食べ物!


「胃瘻(いろう)があっても食べられる〜もう一度口から食べたい〜」というタイトルの「湘南在宅ケアセミナー」に参加。藤沢市介護保険事業所連絡会と同居宅介護支援事業所連絡協議会が主催したもので、基調講演を行った歯科医師加藤武彦さんの話は大変面白かった。
終末期医療において身体にチューブで栄養を取り入れるという姿を想像しただけで、痛々しく相当な重篤患者であり再起不能?と想像してしまうところだが、そこから再び口で食べられるようになる事に可能性があり、その事で再起を果たす途があることを学んだ。
厚労省によれば、65歳以上の9割が入れ歯で、その殆どの人の入れ歯が「合わない」(歯が無くなると土台が平らになって合わなくなる)現実。これに対して、早くから在宅での口腔ケアを行い、噛める義歯を勧めてきた加藤さん。それによる咀嚼力の回復が体力の回復へとつながり、車いすの方が歩けるようになったケースも。加藤さんから義歯を作ってもらった患者さんの言葉「食べることが最高の薬」に深く納得。
終末期の胃ろう中止を容認する流れが顕在化してきたのも、こうした訪問歯科医療の開拓、努力などもあってのことなのだろう。歯科医の仕事に対する認識が全く変わった。そして、口で当たり前に食べられる事に改めて感謝。